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美味しいカフェインレスコーヒーの見極め方はカフェイン除去方法にある!4つの除去方法を紹介

カフェインレスコーヒー=美味しくないというイメージを持っている方も多くいらっしゃるかと思いますが、今のカフェインレスコーヒーは進化しています!
 
カフェインレスコーヒーが美味しくないと感じる理由は、カフェインを除去する時にカフェイン以外の成分も除去してしまい、コーヒーの美味しい成分が残っていない為です。
今回の記事でご紹介する最新技術のカフェイン除去方法を採用するカフェインレスコーヒーは、通常のコーヒーと比較しても遜色のない味わいを再現できております。

カフェインの除去方法は大きく分けると4種類がありますが、
結論として、
①有機溶剤抽出→日本では輸入禁止
②ウォータープロセス→日本で流通するほとんどのカフェインレス
③超臨界CO2除去→最新技術
④液体CO2除去→最新技術
があります。
 
※もちろん生豆の品質や焙煎の技術によっても味わいは決まるので、必ずしも③④のコーヒーが美味しいとは限りません。
それでは、4つのカフェイン除去方法を解説していきます。

①有機溶剤抽出(日本では輸入禁止)

有機溶剤除去によるカフェイン除去方法
この方法は溶剤に浸けてコーヒー生豆のカフェインを除去します。
現在では、ジクロロメタンという薬品を使用します。
過去にはもっと毒性の強い薬品を使用されていましたが、ジクロロメタンにも、発がん性を疑問視される声もあります。
 
ちなみに日本では、薬品を使用したコーヒー豆の輸入は禁止されているのでご安心頂きたいですが、海外で購入したカフェインレスコーヒーをお土産でもらったりする場合などには、口にする機会もあると思いますので、ご注意ください。

メリット
・安価にカフェインを除去することができる。
 
デメリット
・体に有害な可能性もある。
・カフェイン以外の旨味成分も除去してしまう為、カフェインレス特有の癖のある味わいに感じてしまう。

②ウォータープロセス

ウォータープロセスによるカフェイン除去方法
日本で流通するほとんどが、ウォータープロセスで除去をしたカフェインレスコーヒーです。
 
除去の流れを説明します。
⑴水に浸け、カフェインを含む水溶性の成分を全て水に移します。
⑵コーヒー生豆の水溶性の成分が溶けだした水をカフェインのみを除去するカーボンフィルターに通し、カフェインを除去する。
⑶カフェインを除去した水を、空の生豆に戻す。
 
メリット
・比較的安価にカフェインレス処理が可能。
・薬品の使用がない為、安心して飲むことができる。
 
デメリット
・カフェイン以外の旨味成分も除去してしまう為、カフェインレス特有の癖のある味わいに感じてしまう。
 
 
これまで紹介した2つの除去法は、カフェイン以外の成分も除去してしまい、通常のコーヒーよりも味が劣ってしまうデメリットがありました。
 
しかしこれから紹介する2つの除去法は近年生まれた方法であり、カフェインのみを除去する精度が非常に高いプロセスです。

③超臨界CO2除去法

超臨界CO2によるカフェイン除去方法
超臨界状態の二酸化炭素の中にコーヒー生豆を半日漬け込み、カフェインを除去します。
 
<超臨界状態の二酸化炭素とは?>
私たちが生活する気圧では、二酸化炭素は気体か固体です。
例)炭酸飲料…水+二酸化炭素(気体)
  ドライアイス(固体)→水をかけると白い煙のような状態(気体)
この二酸化炭素ですが、高圧状態にかけると液体となります。
そして液体の次の状態が超臨界です。
液体から超臨界状態に変換する方法は、さらに強い圧力を加えた上で高温にすると、液体でも気体でもない状態となります。
この状態が超臨界と言います。
 
超臨界状態の二酸化炭素は、様々な物質を溶かすのですが、コーヒーの旨味を作り出す主要成分である、クロロゲン酸、たんぱく質、糖分、アミノ酸は溶かすことなく、カフェインを除去できるというものです。
つまりカフェインのみをピンポイントで狙い撃ちできる方法です。
 
 
この方法は、学者さん達が長年研究して生み出した方法であり、一般人の私には理解が難しい方法でしたが、自分なりに解釈しました。
 
もっと詳しく知りたい方は、様々な論文などもネット上にあげられておりますので、検索してみてください!
 
メリット
・カフェイン以外の主要成分が残留する為、通常のコーヒーに近い味わいを楽しめる。
・短時間でカフェイン除去が可能(半日)
 
デメリット
・高圧(250bar)高温(80~90℃)の状態にコーヒー生豆を入れる為、豆への負担がかかり、多少の味への影響が出る。
・コストがかかる

④液体CO2除去法

液体CO2によるカフェイン除去方法
超臨界状態の手前にあたる、液体の二酸化炭素を使用してカフェインを除去します。
 
初めにコーヒー生豆を、水蒸気を利用し、2倍の大きさまで膨張させます。
膨張した生豆を超臨界までは高くない65気圧、温度は常温の23℃前後の二酸化炭素の中に漬け込み、カフェインを除去します。
こちらも超臨界CO2除去法と同様、旨味を作り出す主要成分を残しながら、カフェインを除去することが可能です。
しかし超臨界では、半日で除去が可能なところ、液体の場合は2~3日と時間を要し、膨張させて取り除きやすい状態に据える必要があります。
 
メリット
・カフェイン以外の主要成分が残留する為、通常のコーヒーに近い味わいを楽しめる。
・高圧高温のストレスを豆に与えない
 
デメリット
・カフェイン除去に時間がかかる(2~3日)
・コストがかかる

最後に

今回は、カフェインレスの除去方法4種類をご紹介しました。
今までカフェインレスコーヒーにネガティブなイメージをお持ちの方も、
③超臨界CO2除去法④液体CO2除去法のカフェインレスコーヒーを是非一度お試しください!
まだまだ一般的に普及するまでには至っておりませんが、科学の進歩により、通常のコーヒーと比べても遜色のないクオリティが再現できるようになっております。
 
ちなみに、珈琲いろはを運営する、ITSUKI COFFEEのカフェインレスコーヒーは、④液体CO2除去法のカフェインレスコーヒーです。
気になる方は、是非お試しください!
カフェインレスブレンド