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ウォッシュド・ナチュラル・ハニー精製方法の違いをわかりやすく解説

コーヒー屋さんで、豆によって「ウォッシュド」や「ナチュラル」などと書かれているのは見たことがありますか?
これはコーヒーの果実を収穫してから豆にするまでの工程(=精製方法)を意味します。

精製方法の違いは、焙煎度合いと同様にコーヒーの味わいに大きく影響を与えます。
それぞれの精製方法と味わいの特徴を理解して、あなたの好みのコーヒーを見つけてみましょう!


今回は、
・水洗式(ウォッシュド)
・乾燥式(ナチュラル)
・半水洗式(パルプドナチュラル・ハニー)

の3つの精製方法を解説します。

コーヒーの実

コーヒーノキに生ったコーヒーチェリー
コーヒーはコーヒーチェリーと呼ばれるサクランボのような身をつけた農作物です。
このコーヒーチェリーを収穫し、そこから採れる種子がコーヒー豆となります

それでは、コーヒーの実の断面図を見てみましょう。
コーヒーチェリーの内側
コーヒーチェリーは外側から、外皮→果肉→粘液→内皮→種子(コーヒー豆)の5断層となっております。

この中で果肉と粘液の区別がつきづらいかもしれません。
サクランボに例えて説明すると、サクランボを食べて、種だけの状態になったとき、ヌルヌルしますよね?
イメージとしては、そのヌルヌルが粘液(ミューシレージ)です!

この断面図をご理解いただいた上で、続いて「ウォッシュド」「ナチュラル」「ハニー(パルプドナチュラル)」の精製手順を見ていきましょう!

それぞれの精製手順

ウォッシュド(水洗式)
ウォッシュドが最も一般的な精製方法であり、よく口にするコーヒーはウォッシュドかと思います。
ウォッシュドの精製方法の特徴
<手順>

①収穫後、パルパーと呼ばれる果肉除去機で外皮と果肉を取り除きます。

②専用の水槽内で約12時間~72時間かけて発酵を行い、粘液(ミュシーレージ)を分解します。
その後、水で粘液をしっかりと洗い落とします。

③種子と内皮(パーチメント)の状態になったコーヒー豆は、天日乾燥や乾燥機にかけて乾燥を行います
。乾燥した生豆は最後、脱穀をかけて内皮を取り除き完成します。

―味の特徴―
水でしっかりと粘液まで落としてから乾燥するウォッシュドのコーヒーは、クリアな味わいに仕上がります。
癖がそこまでなく、万人受けのコーヒーですね。

ナチュラル(乾燥式)

ナチュラルはウォッシュドのように大量の水を使わないので、排水汚染もなくエコな精製方法となります。
また、ウォッシュドに比べて簡潔な精製方法であり、導入コストも低いため、生産地側の導入障壁が低いと言われています。
主にブラジル、エチオピア、イエメンは、ナチュラルの精製が多いですね。
ナチュラルの精製方法の特徴
<手順>
①ナチュラルは収穫後に、そのまま乾燥します。
②実をつけたまま2週間ほど乾燥を行い、レーズンのようになったところで、脱穀して外皮・果実・粘液・内皮を除去して完成
コーヒーチェリーを乾燥させている様子
このようにコーヒーチェリーを広げて天日乾燥をすることが一般的であり、一見シンプルで手間がかかっていないように見えますが、薄すぎる層で並べると発酵する前に乾燥してしまい、厚い層にしすぎると熱が発生し、過剰な発酵を起こしてしまいます。
これらの関係と合わせて、気候による変化も考えながら精製を行いますので、非常に繊細な精製方法と言えます。

―味の特徴―
品質が高く、適切な処理をされたナチュラルコーヒーは、果実由来の甘味があり、フルーティ・ワインのような味わいに仕上がります。
ナチュラルは根強いファンがいらっしゃる印象ですね。
半水洗式(ハニー/パルプドナチュラル)

ハニーとパルプドナチュラルの違いは後ほど説明します。
今のところは、ハニー=パルプドナチュラルだと考えてください。(以下ハニーで統一します。)
ハニー(パルプトナチュラル)の精製方法の特徴
<手順>
①ハニーはウォッシュドと同様に、最初にパルパーで外皮と果肉を取り除きます。
②ウォッシュドではその後、粘液を取り除きますが、ハニーは粘液をつけたまま乾燥します。
③乾燥後に脱穀を行い、粘液と内皮を取り除いて完成です。



―味の特徴―
作り方は、ウォッシュドとナチュラルの中間のような形ですが、実は味もウォッシュドとナチュラルの中間のような味わいです。
決して悪い意味ではなく、クリーンな味わい且つ、フルーティな甘みも味わえる、良いとこ取りのコーヒーです。

<ハニーとパルプドナチュラルの違い>

ハニーとパルプドナチュラルの大きな違いは、
主にコスタリカで生産される場合の呼称=ハニー
主にブラジルで生産される場合の呼称=パルプドナチュラル

そしてハニーの場合は、ハニーの中でも分類ができます。
分類の方法は粘液(ミューシレージ)の残留率と乾燥時間を基準に判断します。

ブラックハニー・・・ミューシレージをほとんど残して約1か月乾燥
レッドハニー・・・ミューシレージを50%程度残して約2週間乾燥
イエローハニーミューシレージを25%程度残して約1週間乾燥
ホワイトハニー・・・ミューシレージをほぼ洗い流す

ただ、これらの基準は明確なものではない為、農園によって異なる場合があり、独自の呼び方をすることも多くあります。

ちなみにパルプドナチュラルの多くはイエローハニーに近い状態が多いと言われています。

まとめ

今回は「ウォッシュド」「ナチュラル」「ハニー(パルプドナチュラル)」について解説しました。
全ての精製方法と味わいの違いを簡潔にまとめた図を最後にご覧下さい。
精製方法のまとめ
いかがでしたでしょうか?精製方法で味わいは大きく異なります。

珈琲いろはを運営するITSUKICOFFEEでは、現在ウォッシュド、ナチュラル、ハニーすべてのコーヒー豆を揃えております。


この記事を読んでいただき、興味をお持ちいただいた方は、是非オンラインストアをお試しください。
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最後にこの記事の続きとして、
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