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コーヒーのいれ方や、身近で手に入るコーヒーレビューなど
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エスプレッソとは?/家庭用エスプレッソマシンとマキネッタ(ビアレッティ)の違いも解説

エスプレッソはわずか30㎖の濃厚なコーヒー
 
コンビニやスーパーの商品の「微糖だけど少し苦めのカフェラテ」や、ドリンクバーのちょっと濃いめのコーヒーに、「エスプレッソ」と書かれていたりもするので、なんとなくエスプレッソ=濃いめのコーヒーと認識している方も多いのではないでしょうか?
 
エスプレッソが濃いめのコーヒーというのは、間違えた認識ではありません。
しかしエスプレッソは通常のコーヒーとは抽出原理から大きく異なり、抽出量はわずか30㎖程度の非常に濃厚なコーヒーです。
 
そんなエスプレッソをミルクで割ると馴染み深いカフェラテやカプチーノ、お湯や水で割るとアメリカーノとなります。
 
今回は、そんなエスプレッソについて、家庭で楽しむための器具も含めて解説します。

エスプレッソはイタリアの文化

エスプレッソの3層構造
エスプレッソはイタリア発祥のコーヒーの飲み方であり、語源は「特急」の意味を持つ「express」が由来とされています。

イタリアには、カウンターで立ったまま楽しむことが主流の飲食店、「バール」がいたるところにあり、イタリア人はバールで1日に何回もエスプレッソを楽しみます。
イタリア流のエスプレッソの飲み方は、砂糖をティースプーン1~2杯を入れ、この後説明をするクレマが消える前にさっと飲み干す飲み方です。
 

そんなエスプレッソは、クレマ→ボディ→ハートの3層に分かれています。

 
クレマ
上部に浮かぶブラウンシュガーのような色をした泡がクレマです。
語源は「クリーム」なのですが、白い泡自体はコーヒーに含まれる炭酸ガスです。
ガスはコーヒーのオイルを吸着する作用がある為、クリーミーでまろやかです。
また、クレマにはエスプレッソの香りを閉じ込める効果もあります。
 
ボディ
2番目の層は、ボディといいます。
エスプレッソ特有の旨味が凝縮されており、特にコクを感じられる部分です。
 
ハート
一番下の層であるハートは、最初に抽出されるアロマが凝縮されて閉じ込められています。
 
この3層がくっきりと現れることが、理想のエスプレッソと言えます。

エスプレッソに適した豆は?

深煎りのコーヒー豆
基本的にエスプレッソは深煎りのコーヒー豆を使用します。
ちなみに、エスプレッソ用として使われる、焙煎度合いの最も深い焙煎を「イタリアンロースト」と呼びます。
 
しかし現代のコーヒーシーンでは、浅煎りのエスプレッソを提供するお店も増えてきました。
特にカフェラテやカプチーノに浅煎りを使用する場合は、ミルクの甘さが際立ち、人気があります。

エスプレッソの抽出方法

日本で一般的なドリップコーヒーは、コーヒー粉にお湯を通す抽出方法です。
また紅茶の器具でもおなじみのフレンチプレスでは、コーヒー粉をお湯に浸けて抽出を行います。
(専門用語では、ドリップは透過式、フレンチプレスは浸漬式と呼びます)
 
エスプレッソが他のコーヒーのいれ方と大きく異なる点が、圧力を利用して濃縮した液体を抽出するという点です。
 
 
エスプレッソには専用抽出器具を使用し、その種類は大きく分けて、
①エスプレッソマシン
②マキネッタ(直火式)に分かれます
 
①エスプレッソマシン
エスプレッソ
エスプレッソマシンは業務用のものでは約50万円から300万円を超えるものもあります。
また家庭用のものは、1万円台から販売しています。
エスプレッソの工程
家庭用のセミオートタイプ、また業務用のマシンでエスプレッソを淹れるには、
⑴ドーシング(バスケットに粉を詰める工程)
⑵レベリング(バスケットの粉を均す工程)
⑶タンピング(詰め固める工程)の3つの工程があります。
 
そしてこれらの工程の後、エスプレッソマシンにコーヒーの粉を装着して抽出開始です。
抽出は9bar(バール)の強力な圧力を使用して短時間で行い、抽出時間はわずか20秒~30秒程度です。
 
ちなみに家庭用マシンの全自動タイプは、豆を挽くところから抽出までの全てを自動で行います。
 
 
 


②マキネッタ
こちらはマキネッタと呼ばれる器具を使用して抽出します。
マキネッタを生産している最もメジャーなブランドが「ビアレッティ社」です。
ご家庭でマキネッタを使用している方のほとんどが、ビアレッティ製のマキネッタを使用しているかと思います。

マキネッタは水とコーヒーの粉を器具に入れ、そのまま直火にかけます。
水が沸騰し始めると内部に蒸気圧が生まれ、その圧力を利用して抽出します。
エスプレッソマシンは9barの高圧力で抽出するのに対し、マキネッタは2barでの低圧力での抽出となります。
抽出は火をかけ始めてから約3分~3分半で完了します。

マキネッタではクレマが作りづらい

「クレマはガスであり、そのガスにコーヒーのオイルが吸着している」と先ほど説明しました。

画像の通り、9barの圧力で抽出されるエスプレッソマシンの場合、ガスが空気中に逃げることなく、液体に落ちます。
反対に2barのマキネッタでは圧力が弱く、ガスが抜けてしまいます。
 
そんな中でも、ビアレッティ社の「ブリッカ」と呼ばれるマキネッタは、バルブを装着し、圧力がギリギリまで上がった状態で抽出される為、通常のマキネッタよりも強い圧力で抽出され、クレマが発生します。
しかし9barまでの圧力には及ばないので、クレマは薄く、すぐに消えてしまいます。

マキネッタでできること

マキネッタでできること・できないことを図にまとめました。
マキネッタにはできないこともありますのでご注意ください。


ミルクをスチームして加熱する様子
マキネッタは基本的にミルクの過熱が必要なドリンクは作ることはできません。
カフェラテもカプチーノも基本的にエスプレッソマシンについている「スチームノズル」を使用し、空気を含ませながら加熱します。

マキネッタでは、唯一「ムッカ」という商品を使用すると、カプチーノを作ることはできます。

エスプレッソマシンとマキネッタ、どっちが買い?

エスプレッソマシンを導入すべき場合
 
普段からエスプレッソを飲む方には、正直マキネッタでは物足りなく感じるかもしれません。

また、自宅でもホットラテやカプチーノを作りたという方には、エスプレッソマシンの導入をお勧めします。
 
家庭用のエスプレッソマシンは、エスプレッソ自体はかなりクオリティが高いです。
家庭用の唯一の欠点は、スチームが弱いという点です。
やはり、業務用マシンに比べるとパワーが劣るので、お店クオリティのホットラテやカプチーノを作るには技術が必要です。
 
 
エスプレッソマシンを導入される際の注意点は、
 
・9bar抽出に対応しているのかを確認する
・コーヒーを豆から買ってセミオートマシンを使用する場合は、グラインダーというエスプレッソ専用の豆を挽く機械が必要(通常のミルよりも細かく挽く必要があります。)
となります。
マキネッタを導入すべき場合
 
まずは自宅で、お金をかけずにエスプレッソを試してみたいという方は、マキネッタの導入を検討しても良いでしょう。
 
マキネッタで最も王道のモデルは、ビアレッティの「モカエキスプレス」です。
価格はだいたい3000円程度で購入が可能ですので、まずはこのモデルから検討してみても良いのではないでしょうか?
 
ちなみにマキネッタはサイズ選びだけは注意が必要です。
マキネッタでは基本的に1CUP=50㎖ですので、普段どのくらい抽出するのかを考えてから購入することをお勧めします。
 
ちなみにイタリアでは一家に一台マキネッタがあるほど普及しているそうです。
日本の急須のような感覚かと思います。

最後に

今回は、エスプレッソの基礎知識とご家庭での抽出器具について解説をしました!
 
今回解説した内容をもとに、
 
・カフェラテ・カプチーノ・カフェモカ・カフェオレの違いとは?
美味しいカフェオレを作る為の黄金比率!水っぽくならない3つのポイントとレシピ

 
もよろしければご覧ください!


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