今回はエチオピアコーヒーについてご紹介します! エチオピアコーヒーは非常に個性的で上品な味わいを持ち、品質の高さから、多くのコーヒーファンを魅了しています。 ついつい店頭の豆のラインナップもエチオピアの比率が高くなってしまいます。 かつては「モカ」として、現代は「イルガチェフェ」や「グジ」として、いつの時代もコーヒーの代表的な存在として牽引しているのが、エチオピアコーヒーです。 今回は、エチオピアコーヒーの歴史から魅力、現代ではどのように楽しまれているのかを解説していきます!
コーヒーの起源、モカコーヒー
コーヒーの起源説は様々存在していますが、有力な2説があります。
①ヤギ飼いカルディ説(エチオピア)※羊の説もあり
②回教僧オマール説(イエメン)
「ヤギ飼いカルディ説」は、皆様おなじみの「カルディコーヒーファーム」という名前の由来にもなっています。
モカコーヒー
コーヒーに興味がない方でも「モカ」という名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。
イエメンの「モカ港」から輸出されたコーヒー豆を「モカ」と呼ばれており、その名残が現在にも残っています。
イエメンでもコーヒーは栽培されておりましたが、もっと多くのコーヒーを栽培する対岸のエチオピアのコーヒーも一緒に輸出されていました。
つまり、「モカ」とはエチオピアとイエメンのコーヒーを総称した呼び方です。
このことから、有力な起源説どちらを取っても、コーヒーの起源は「モカ」ということになります。
ちなみにエチオピアで生産されるコーヒーの品種は、原種(在来種)と呼ばれる品種のコーヒー豆であり、元々自生していた品種です。
イエメンも同じく原種となりますので、似たような味わいを感じられます。
日本の喫茶店でも不動の人気だったモカの魅力
古き良き喫茶店のコーヒーといえば、「トラジャ」「ブルマン」「キリマン」など、代表的な銘柄は数多くありますが、やはり「モカ」が最も人気のコーヒーだったのではないでしょうか? 最近は見ることが少なくなってきましたが、昔ながらの純喫茶では今でも「モカ」という名前で提供しているお店もあります。 現代ではエチオピアコーヒーは浅煎りで提供をするお店が、世界的に見ても多くなってきていますが、浅煎りの文化が日本に入ってきたのは、つい最近の話です。 モカは長らく深煎りのコーヒーとして人気のコーヒーでした。 コーヒーは基本的に深い焙煎を行うと、焦げによる苦味が豆の個性を上回ってしまいます。 しかし、モカは熱を加えても個性がはっきりと現れ、苦味の中に甘味と花のような香りを感じられる、深煎りにも適しているコーヒー豆です。 余談ですが、カフェラテにチョコレートで味付けをした「カフェモカ」は、このモカから由来したドリンクです。 モカコーヒーの特有の甘さを再現する為に、チョコレートを加えたといわれています。
サードウェーブコーヒーの到来
2000年代からは、世界的にサードウェーブ(第三の波)と呼ばれるコーヒー業界の新たな流行が現れ、ブルーボトルコーヒーの上陸とともに日本にも近年は浸透してきています。 サードウェーブコーヒーをざっくりと説明をすると、 コーヒーの品質が上がってきている昨今、コーヒー本来の味わいを楽しむために浅煎りのコーヒーを楽しむ文化です。 また、サードウェーブコーヒーでは、基本的にシングルオリジンの豆を使用します。 シングルオリジンとは、生産国だけではなく、地区や農園など、コーヒーの細かいプロフィールを消費者に伝えられる豆のことです。
例えば私のお店ではコーヒーのパッケージに、 国・地区・農園や精製所・標高・品種・精製方法を記載してあります。 このことから、「モカ」という呼び方では、エチオピアとイエメンの総称になる為、シングルオリジンには該当しません。 また、浅煎りは深煎りよりも豆の味わいの違いが繊細に分かります。 エチオピアコーヒーでも、北部と南部、更には農園ごとでも味わいが大きく異なり、「モカ」と一括りにはできません。 サードウェーブコーヒーは大きくコーヒーの考え方を変えてきました。 このような背景から、今までコーヒーシーンの代表的な存在であった「モカ」という名前も、だんだんと聞かなくなりました。
サードウェーブの時代でも牽引を続けるエチオピアコーヒー
時代が変わっても、エチオピアコーヒーはサードウェーブを牽引する存在です。 コーヒー好きならば「イルガチェフェ地区」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。 シダモと呼ばれる地域のイルガチェフェ地区で生産されるコーヒーのことを指します。 イルガチェフェと肩を並べるくらい品質の高いコーヒーを生産する地区として「グジ地区」なんかも有名です。 イルガチェフェとグジは近くに位置しており、エチオピア南部の地区です。 両者は、標高が高く寒暖の差が激しい為、美味しいコーヒーを作る環境に適した地区と言えます。 寒暖差に耐えたコーヒー豆は、ギュッと引き締まっており、非常に品質の高い香りを持っています。
エチオピアコーヒーの味わい
エチオピアコーヒーは共通して、個性的な花のような香り・華やかさを感じられます。 よくジャスミンや紅茶に例えられることが多いです。 ウォッシュドとナチュラルでも個性は異なります。 勿論豆によって異なりますが、それぞれの特徴は以下の通りです。 ウォッシュド・・・明るい酸を感じられ、レモンやライムなどの柑橘系 ナチュラル・・・甘味の中に酸味があり、グレープやイチゴなどの果実感 ちなみにウォッシュドとナチュラルの違いは、収穫されてから豆になるまでの精製処理方法の違いです。 以下の記事で詳しく解説しておりますので、よろしければご覧ください。 ウォッシュド・ナチュラル・ハニー精製方法の違いをわかりやすく解説
まとめ
私たちの周りでも、コーヒーにハマったきっかけはエチオピアコーヒーだったという方が非常に多く、実際に私も初めてコーヒーで感動を覚えたのは、「エチオピア イルガチェフェ」でした。 モカから始まり、現代のサードウェーブまで、いつの時代もコーヒー界の先頭に立っています。 普通のコーヒーとは一味違う、独特な個性を持つのがエチオピアコーヒーです。 現代ではエチオピアといえば浅煎りで焙煎をすることが多くなっていますが、昔ながらの純喫茶らしい深煎りのエチオピアも忘れてしまってはいけません。 苦味とともに、花のような甘い香りは、今でも飲みたくなる上品な味わいです。 現在最も手軽にエチオピアの風味を楽しむことができる方法は、 ファミリーマートの「高級モカブレンド」です! かなり完成度が高く、コンビニコーヒーとは思えないほど、モカ特有の風味も感じることができます。 「高級モカブレンド」について、詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください! ファミリーマートの2021年版「高級モカブレンド」を一度飲んでみてほしい 珈琲いろはを運営するITSUKI COFFEEでは現在、2種類のエチオピアコーヒーをご用意しております。 花のような強いモカフレーバーと冷めて際立つ酸味を持つ深煎りのエチオピア(ナチュラル)↓
紅茶のような方向性で、レモンティやピーチティを思わせる爽やかな味わいの浅煎りのイルガチェフェ(ウォッシュド)↓
この記事を読んでいただき、興味を持っていただいた方は是非お試しください!